2021/09/15 11:30
はじめまして。私たちは、宅配クリーニングの「one more」と言います。
宅配クリーニングとは、全国どこからでも自宅から宅急便を使ってクリーニングしたい品物を送り、また受け取るサービスですが、
私たちのクリーニングは、ちょっと変わっているところがあります。
・一度に大量に洗うのではなく、一着ずつ手間をかけ洗っている。
・安くて高性能な合成洗剤を使わず、天然素材の洗剤にこだわる。
・石油溶剤を使わず、スーツ・セーター等水洗い×の物も水洗いする。
一見、非効率でなんでわざわざそんなことするの?
と言われてしまいそうですが、ちゃんと理由があります。
私たちone moreは、青森県弘前市より始まっています。地元では7店舗お店を展開し、70年間続くちょっと名前の通ったクリーニング屋さんで

「夫の服は他の安いクリーニング屋さん。私の大切な服はお宅に出すのよ~」
と笑いながらおっしゃって頂けたり、「この服はうちではなく弘前ドライさんへ持っていってみてください」とありがたいことに同業者からご紹介を頂いたりします。売上もすこぶる順調!というわけではありませんでしたが、今のままでもなんとかやっていける程ではありました。
そんな会社が、70年間続いた今までのクリーニングをやめて、安くないコストをかけてまで、洗剤や機械を入れ替えて新しいクリーニングに挑戦しました。
もちろん、かかるのはコストだけではありません。既存のお客様が離れてしまうのではないか。変えた後に失敗したらどうしようといったリスクや不安も背負いました。
しかし、このクリーニングをなんとか形にすべく、業界初のクラウドファンディングに挑戦したところ、多くの方から応援を頂き、ありがたいことに、目標金額の889%と当初の予想を大幅に上回る反響を頂きました。
ここで頂いたたくさんの声、見えてきた業界の現状から、今では私たちは多少手間やコストが掛かっても、このクリーニングを進めていくべきという信念があります。
私たちがどんな想いでクリーニングに向き合っているのか。クリーニングを通して、何をお伝えしたいのか。少しだけ、聞いてくれたらうれしいなと思います。
1.服は思い出のアルバム
クリーニングという仕事をしていると、たくさんの人が服を持っていらっしゃいます。
「私が昔娘に着せた服を今度は孫が着るのよ~」
と嬉しそうに話すおばあちゃん。
「このコートは自分へのご褒美に買ったんです。でも、ちょっと袖が汚れて、、、他では落ちなかったんですけど、キレイになりますか?」と聞きに来る女性社長さん。
「昔、ヨーロッパ行ったときに、つたない英語を駆使して、オーダーで作ってもらったんだ。これを着て今度また行きたいなぁ。」と目を細めるお父さん。
他にも、
・新婚旅行で妻に選んでもらったジャケット
・お気に入りのブティックで買ったカーディガン
・尊敬する上司にもらったYシャツ
・外の仕事の時は必ず持ち歩くお守りのようだったフリース。。。

その1つ1つのエピソードを話すときの皆さんの顔が、本当に懐かしそうで、誇らしそうで、聞いている私たちまで心があったかくなってきます。
服とはまるでアルバムのように、たくさんの思い出が詰まっていくものなんです。
だから、新品ではなく「この服を もう一度着たい」そんな願いが、毎日、私たちの下に集まってきます。
2.失われつつある服を⼤切にする⽂化
日本は昔から衣服をとても大切にしてきました。
衣食住で”食”ではなく、“衣”が最初に来るのは他の国ではなかなかないですし、薬を飲むことを"服用”と書いたりします。昔の日本人は、着るものが身体や心に影響を与えると考え、とても大切にしていたようにに思います。
しかし、今はファストファッションの時代となり、服自体が大量に安く作られ、新しいものを買っては捨てるという文化となってしまいました。
中には水につけただけで色が変わってしまったり、形が崩れてしまったりと
「着られればいい」「見た目がよければいい」と言わんばかりの繰り返し着ることを全く考えていないような服も見受けられます。
それに伴って、クリーニング業界にも安さや早さが求められてきました。
近所のスーパーに入っている大手クリーニング店は、特売に合わせてYシャツも卵と同じ値段!といってお客様を集めているのをよく見かけます。
私は、安さ・早さを追求することを否定したいというわけではないのです。服自体の値段が下がってしまったので、ある意味仕方なかったという服飾業界の事情も痛いほどわかります。
しかし、今のアパレルやクリーニング業界に蔓延している「着られればいい」「見た目がよければいい」という発想を目の当たりにすると、とても寂しい気持ちになります。
3.転機となったのが⼀着のベビードレス
しかし、「着られればいい」「見た目がよければいい」というのは私たちにとっても決して他人事ではありませんでした。
・安くて性能がいいけれども、肌への影響が気になる合成洗剤。
・蓄積した汚れで黒ずんだ服の上から塗料でキレイに見せる蛍光増白剤。
・シンナーのような匂いがして吸うと頭がくらくらするクリーニング溶剤。
そのどれもがクリーニング業界の日常で、疑いもしませんでした。
しかし、転機が訪れました。
2019年の1月。経営者である私と妻に待望の子どもが授かったのです。
両家にとって初孫だったので、皆大喜びです。
そしてある時、お義母さんが「昔、娘が着た物があるのよ」といってタンスからベビードレスを出してきてくれました。純白で今着ても全然古さのない素敵なベビードレス。。。
しかし、少し黄ばんでいました。
「少し汚れているけど、弘前さんとこのクリーニングでキレイになるかね?」
と聞かれたとき、ハッとしたんです。
「うちのクリーニングで洗った物って赤ちゃんに着させても本当に大丈夫なのかな・・・?」
もちろん洗剤メーカーは問題ありません!
と言って出してくれているものなのですが。。。
私は自信をもって「大丈夫」とは言えませんでした。
しかし、今の業界に出回っている洗剤・機械では、他に選択肢はありません。
「どうしたらいいんだろう。。。」
そんな悶々とした日々を送っていた時、ある方と出会いました。
その方は長年洗剤を開発されている方で、「地球にも身体にも安心安全なクリーニング」を実現した方でした。このやり方でやれば、合成洗剤も溶剤も使用せずに、しかも服にダメージを少なく洗うことができると教えて頂いたのです。
私たちはすぐに今まで使っていた洗剤を全て入れ替え、新しい機械を導入することを決めました。
4.肌にやさしいクリーニングは服も⽣き返らせる
この新しいクリーニングではなるべく全ての衣服を水で洗います。
普通のお店では、セーターやコートも石油溶剤で洗いますが、私たちは、水で洗います。そして、使用する洗剤はヤシなどの天然素材で作られた物のみ。
柔軟剤はシリコンではなく、化粧水にも使われているような肌に付けるとスベスベしっとりになる成分を使っています。まさに、これで素肌を洗ってもいいような物ばかりを使用したクリーニングです。すると、驚くような光景を目にしました。
ウール・カシミヤ等の獣毛製品は水で洗うと縮んでしまうので「水では洗えない」が業界の常識でした。しかし、このone moreでは、新品よりもふっくらしてしまうのです!
ここまで違いが出るとは、、、長年クリーニングに携わる職人も「今までのクリーニングは、なんだったんだ!」との驚きようでした。
肌にやさしいクリーニングを開発したら、服も今まで以上に生き返ったのです。服って肌と同じなんだなと実感させられました。
5.服が蘇るクリーニング ”one more”の誕⽣
しかし、私たちのクリーニングはそれだけではありません。
・服が工場に着いたとき、初めましての気持ちで、まるで人に接するかのように1つ1つ汚れ具合や傷んでる箇所を確認する。
・その服にあった工程を考え、洗剤の量・洗う温度・仕上げ方をその服専用にカスタマイズする。
・最後は人の手で仕上げ、汚れが残っている場合は再度洗ったり、染み抜きをしたりと職人の目で何度も何度も確認する。
こうした通常では考えられないような手間をあらゆる服にかけており、
実際にこのクリーニングを体感された方からは、
「今までのクリーニングよりも生地がすごくふっくらして柔らかい。
なんだか服が元気になったみたい!」
「大事な品物で捨てられずにいた品物が生き返った!娘の誕生日に着ていける!」
と喜びの声を頂いています。
私たちはこの新しいクリーニングに「one more」と名付けました。one moreという単語には「もう一度」という意味があり、「この服をもう一度着たい」というお客様の願いを叶えたいという意味をこめてあります。
(実は他にも意味があるのですが、それはまた後々、、、)
まさに、大切な一着にふさわしい、人にも、服にも、環境にもやさしいクリーニングが完成しました!
6.クリーニングを通して、ぬくもりを届けたい
このone moreを初めてから、こんな声を耳にするようになりました。
クリーニング屋さんに出すと、
「ヘンな匂いがついてくる」「汚れが落ちない」「服がヨレヨレになって帰ってくる」
それが当たり前だと思っていた。それなのに、このone moreは全然違うと。
中には、「クリーニングに出さなくていいような服を選んで買っていた」という方もいらっしゃいました。どれも耳を疑うことばかりで、同じクリーニングを担う者として、心が傷みます。
どうしてそんなことが起きているのだろうと調べてみると
「今の服は昔より作りが簡素だから、破損が怖くて最低限の洗いしかできない」
「クリーニングの値段が下がってしまっているからリスクを犯したくない」
といった業界のやむにやまれぬ実情が浮かび上がってきました。
当社で20年にわたり、服の補修を担当しているベテランのミシン職人さんも「昔と今の服では、同じブランド、同じ価格帯でも全然違う。縫製も生地も弱くてどうやって直していいか。。。」と頭を悩ませていました。
服は、着ることでその人の心や身体に影響を与えるものです。その服を取り巻く環境が、効率化を追求するあまり、どんどん悪くなっているのです。
安くて性能のいい服は素晴らしい物だと思います。しかし、着るだけで「今日一日頑張ろう」「なんだかいい日になりそうだな」「今日の俺、いつもよりかっこいいな」そう思える大切な服ってやっぱりその人や周りの人を幸せにしてくれる物だと思います。
私達は、服を作ることはできませんが、洗うことはできます。
私たちがクリーニングすることで、服が元気になり、着た人に明るくて暖かい気持ちになって頂ける。毎日の暮らしが少しでも輝くものになる。
そんなクリーニング屋さんでありたいと思います。
しかし、one moreはまだまだ始まったばかりです。
私たちは地域でこそ、ある程度発信力はあっても、日本中に発信する力も、信頼してもらう影響力も、語れるエピソードもまだまだ足りません。
是非、一人でも多くの方に私たちが想いを込めて作ったこのone moreを体感して頂きたいなと思いますし、感想を頂ければなと思っています。
この文章もone moreも、勝手に紹介してもらって構いません。
そして、あなたの大切な衣服を私たちに預けて頂ければ
こんなにうれしいことはありません。